
「毎月1万円以上かかってる」に気づいた日
母のスマホ料金の明細を見せてもらったとき、思わず声が出た。
毎月9,800円。LINE と電話しか使っていないのに、大手キャリアの高めのプランにそのまま加入し続けていた。契約したのは数年前で、当時のショップ店員に勧められたプランをずっと変えていなかったらしい。
「格安SIMに変えれば月2,000〜3,000円になるよ」と言うと、母は不安そうな顔をした。「ちゃんと使えるの?」「電話できなくなったら困る」「なんか難しそう」。
その気持ちはよくわかる。でも、年間で7〜8万円の差が出るなら、真剣に考える価値はある。今回は、親のスマホを格安SIMに変えるときに知っておきたいことを整理してみた。
そもそも格安SIMって何が違うの?
格安SIM(MVNO)とは、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の回線を借りて、より安い料金でサービスを提供している通信会社のことだ。
回線自体は大手キャリアと同じものを使っているため、つながりやすさはほぼ変わらない。料金が安い理由は、実店舗を減らしてコストを下げているためだ。
高齢者の親がよく使う機能——通話・LINE・メール・ネット検索——は格安SIMで十分まかなえる。データ通信量も、動画を大量に見ない限り月3〜5GBのプランで足りることが多い。
親のスマホを格安SIMに変えるときの注意点
1. 電話番号はそのまま引き継げる
「番号が変わるんじゃないか」と心配する親は多いが、MNP(番号ポータビリティ)という制度を使えば、今の電話番号をそのまま格安SIMに持ち込むことができる。手続きは乗り換え先の会社がサポートしてくれる場合がほとんどだ。
2. キャリアメールは使えなくなる
「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」などのキャリアメールアドレスは、格安SIMに変えると使えなくなる。事前にGmailなどのフリーメールに切り替えておく必要がある。ただし親世代で日常的にキャリアメールを使っている人は少なくなっているので、LINEメインであれば影響は小さい。
3. 端末がそのまま使えるか確認する
今使っているスマホが「SIMロック解除済み」かどうかを確認しよう。2021年以降に購入した端末はSIMロックなしが原則になっているが、古い端末は手続きが必要な場合もある。乗り換え先に相談すると確認してもらえる。
4. サポート体制を重視する
格安SIMの多くはオンライン手続きが基本で、実店舗が少ない。親本人が手続きや問い合わせをするのが難しい場合は、実店舗があるサービスや、サポートが充実しているプランを選ぶのがおすすめだ。楽天モバイルやUQモバイルなどは全国に店舗があり、高齢者でも対面サポートを受けやすい。
親世代におすすめの選び方
格安SIMを選ぶときに見るべきポイントをまとめた。
① 通話料金の安さ 電話をよく使う親には、月額定額で何分でも通話できる「かけ放題プラン」の有無を確認しよう。
② データ容量は少なめでOK 動画をほとんど見ない親なら、月3〜5GBで十分。使いすぎた月だけ追加できるプランだと安心だ。
③ 実店舗・サポートの充実度 設定変更や困ったときに頼れる窓口があるかどうかは、親世代には特に重要。オンライン完結型の格安SIMは安いが、サポート対応が手薄なことも多い。
④ 家族割引の活用 自分も同じキャリアに乗り換えることで、家族割引が使えるケースもある。一緒に検討してみると、さらにコストを抑えられる。
設定・サポートは子どもが担当する前提で
格安SIMに変えた後、最初の1〜2ヶ月は親からの「スマホ相談」が増えると思っておいたほうがいい。「Wi-Fiが切れた」「LINEの通知が来ない」「画面が変わった」——こうした問い合わせは、慣れるまで続くことが多い。
遠方に住んでいる場合は、リモートでスマホの画面を見ながら操作を教えられるアプリ(Googleのクイックサポートなど)を事前に入れておくと対応しやすい。帰省のタイミングで初期設定をまとめてやってあげられると、その後がスムーズだ。
まとめ:変えるなら早いほうがいい
格安SIMへの乗り換えは、手続きに多少の手間はかかるが、一度やってしまえば毎月の料金がずっと下がる。年間5〜8万円の節約は、親の生活費を考えるうえで決して小さくない金額だ。
「なんとなくそのまま」になっている親のスマホ料金、一度見直してみることをおすすめしたい。


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